「日本の眼科」9月号にチャレンジド・ヨガ掲載してくださいました。(文章 眼科医 チャレンジド・ヨガ横須賀クラス立上げ人 澤崎弘美先生)テーマ「視覚障がい者スポーツとロービジョンケア」

2019 年 11 月 13 日

【チャレンジド・ヨガ】

「チャレンジド・ヨガは、今から 6年ほど前、ひとりの視覚障害者の「やってみたいな、 ヨガ・・・」の言葉をきっかけに始まった視覚障害者のためのヨガです。
この活動は瞬く間に全国に広がり、現在国内 17 カ所で定期クラスが行われるほか各地で単発のイベントや 研修会などが開かれています。 視覚障害者は視覚的にインストラクターの動きやポーズを確認できないため、チャレンジ ド・ヨガでは情報を言葉によってあるいは触覚を利用して伝えたり、3-step と呼ばれる方法でポーズを確認したり、サポーター(サブインストラクター)が個々に声をかけるなど 不安の無いようにクラスを進めて行きます。
チャレンジド・ヨガの活動がここま で大きなムーブメントになっている理由は、以下 3 つの活動目的にあると考えています。

1.視覚障害者の運動機会、外出機会作り
移動障害とも言われる視覚障害者は外出頻度や日常運動量が減少し、日常生活動作(ADL) が低下しがちです。他人と競わず、マットや椅子の上だけで身体を動かせるヨガは視覚障 害者にとってハードルが低く始めやすい運動です。 定期的な外出目的としても励みになるようです。
クラスに参加したいというモチべーショ ンが同行援護等のサービスの利用や歩行訓練につながることもしばしば目にします。

2.地域のコミュニティ、当事者同士のコミュニティ作り
地域の中で孤立しがちな視覚障害者がサポーターや他の当事者と知り合う場になっていま す。
情報障害とも言われる視覚障害者が当事者同士で必要な情報を交換できることはとても良いことです。
互いに言葉を交わすだけでも心理面に良い変化が見られることが多いよ うです。

3.視覚障害を理解する人、共生できる地域作り
インストラクターやサポーターは最初はほとんど視覚障害者と接したことがない人です。
勉強会や研修も行いますが、むしろ当事者と接する中で自然に視覚障害についての理解を 深めます。
中には自主的に視覚障害援助ボランティア講座等を受講したり同行援護従業者 の資格を取ったりする人も出てくるなど、視覚障害者に理解ある地域作りにもつながります。

さて、このチャレンジド・ヨガが、実は眼科医にとって手軽かつ有効なロービジョンケア のツールになることに、もうお気づきでしょうか?
視覚障害の患者さんに相談先として専門施設を紹介してもなかなか行ってくれない、、そ んなとき、チャレンジド・ヨガを勧めてみてください。
呼吸さえできれば(生きてさえい れば!)年齢を問わずどなたでも参加できます。
患者さんの障害の受け止め方や気持ちに 変化が見られることが多いです。
是非お試しください。

(出典元:日本の眼科 第90巻第9号137頁, 2019年 読者の広場 )

 

 

 

 

 

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